……………………?



















目が覚めた。



















体を起こすと目の前には海が広がっていた。




私は一人砂浜にいた……………………。


























水の世界



































第2話 不可解







































どうやら地の世界に付いたようだ。

私はあたりを見渡した。

すると建物が集まっている場所が見えた。

ここにいてもどうしようもないからその方向へ行ってみることにした。


































町では子供が遊んでいた。

別に私は特別なところに来たわけではない。

ただ、元いた場所と極端な違いはない。

それぞれが独立した世界。

それぞれが等しいはやさで時間が流れている。

ただ………、それだけ…………………。





























それぞれ時間は平等で、それぞれ独立した世界。






だけどなぜ水の世界は崩壊したのだろう。

どれだけの人が無事なんだろう。






そんなことを考えながら行く当てもなく道を歩いた。
























歩いていると突然後ろから声をかけられた。






ブレッド「おっす!!今来たのか?」

エルナ「あ、こんにちは。今来ました。」

ブレッド「俺のほうは3日前来て協力者を探し出した。付いて来な。その人のところへ行くから。」

エルナ「あ、あの……………。」

ブレッド「グレイはのことはまだわからない。たぶんもう着いてていいと思うんだがな。

なにせたどり着く時間も場所もばらばらだからなかなか場所がつかめない。」

エルナ「そうですね。」
















なんとなく気にはなった。グレイは協力者を見つけ出したのだろうか………。

間違いなくこちらの世界に着いている、あるいはもうじき着くはずなのだ。





























ブレッド「とりあえず協力者の人の場所へつく前に簡単な説明をしておく。

この世界の住人は基本的に水の世界のことなど知らない。君が地の世界を知らなかったようにだ。

だが、何らかのきっかけで水の世界を知った人間もいる。

そういうやつらの前では何もしなくてもばれることがある。

まずそこを覚えておくといい。」

エルナ「わかりました。」

ブレッド「あと名前は一応偽名にしておくべきかな。

どういう理由かは知らんが名前の形式があっちとこっちでは全然違う。」

エルナ「ブレッドさんはなんと名乗っているのですか?」

ブレッド「あ、俺?俺は“半田 吾郎”。あんまり凝った偽名もよくないからな。」

エルナ「じゃぁ私は“山口 絵瑠”で。」

ブレッド「エル…………(絵瑠)ちゃんずいぶんと潔いんだな。俺は5時間かけて考えたぞ?」

絵瑠「それは考えすぎだと思いますよ、ブレッドさん……………じゃなくて吾郎さん。」

吾郎「いや、おれはやばい時しか頭が回らないからさ。こういう状況だと悩むんだよ。」

絵瑠「よくそれでくびになりませんでしたね。」

吾郎「まぁな。…………っと着いた。ここだ。

お〜い頼也、連れてきたぞ〜!!絵瑠ちゃんだ。」































頼也「あ?着いた?え〜と、絵瑠さんだって?………ようこそ。とりあえず上がって。」
















中から出てきたのは普通にやる気のなさそうなお兄さんだった。

吾郎さんと同じくらいだろうか。

絵瑠「はじめまして。エルナこと山口 絵瑠です。」

頼也「おれは大道寺 頼也(らいや)だ。むこうでの名前はライド」

絵瑠「大同 児雷也…………?」

吾郎「ぷっ………。」

頼也「……………おいおい。違うよ“大道寺 頼也”。」

吾郎「ははは………。だからお前名前の付け方おかしいんだよ。

紛らわしい名前だから今までに何度間違われた?10回は楽に越えるだろう?」

頼也「いちいちうるさい。黙れ。」
















絵瑠「あの……………お2人の関係は……………?」

吾郎「研究所の仲間だ。頼也は地の世界でいろんなことをしてる研究員さ。」

頼也「簡単に言えばまぁ、悪友ってところだ。」

絵瑠「そうですか。仲がよくてよろしいですね…………………………。」











何だか2人の姿を見てるとグレイを思い出す。

まだ別れてから時間も浅いが、何だか寂しい。

ここの世界で私にはまだ、友達も何もいない。

グレイは今、一体どこへいるのだろう………。





















吾郎「あ、絵瑠ちゃん。」

絵瑠「何ですか……………?」

吾郎「ここにいても退屈だろうから外へ散歩に行ってみたらどうかな?」

頼也「ここら辺は道が単純でわかりやすいから迷うことはないだろう。気分転換に外へ出たらどうかな?」

絵瑠「じゃぁそうしてみます。」





















2人が私のことに気づいたと言うのは私にもわかった。

というか何だか2人を見ていたら気分が暗くなってしまった。

気分転換でもして楽になろう。































歩きながらいろんなことを考える。

ここの町並み、人、看板の文字の雰囲気、歩いてるときのいろんな感覚…………………。

別に何も水の世界と変わらない。

違うのは水の世界の人間がたまに水の力を使うということだろう。

そうやって歩いているとどこかの学校の門の前に来た。

門から中をのぞくと奥に木があり、その下に人が立っていた。
















絵瑠「……………?」
















その姿はどこかで見たことのある雰囲気だった。

まさかと思い、私はその人のほうへ歩いた。

近くに着てきたらやはりそれはグレイ。

学校の制服を着ているところからすると、私より先についていたのだろう。

そのとき彼がこちらに気づき声をかけてきた。

しかし、それは耳を疑いたくなるようなものだった。































彼「……………どうかなさったのですか?」































驚いて返事ができなかった。

相手はどう考えても私のことについて認識がない、そんな雰囲気だった。

しかし姿は間違いなくグレイだ。一体どういうことなのだろう……………。





















彼「どうかされたのですか?こちらを見て黙ったまま……………。」

絵瑠「あ、え………いえ、ちょっと。こんなところで何をされているのだろうと思って。」

彼「いえ、ここの場所が好きだからちょっと来ていただけですよ。」

絵瑠「そうですか。それでは失礼します。」































あまり深く関わらないほうがいいと思い、その場を去った。

しかし気になる。彼の姿かたちは間違いなくグレイなのに性格的なものは全くグレイではない。

彼はグレイなのだろうか。

違うのならいいが、もしグレイならば彼の身に何が起こったというのだろう……………。
















back next


inserted by FC2 system