ものごとはゼロへ、ゼロへと向かう。
俺の意識もゼロへ、ゼロへと向かう。
皆はどうなったのかな、とか、犯人はつかまったのかな、とか。
近松は?とか桜庭は?とか。
正直誰がすきなのかな、とか。
結局本当の俺はどこにいったのかな、とか。
ちょっとずつ、ちょっとずつ。
消えていくんだ。
手に乗せた砂がこぼれてくみたいに。
ゼロに、ゼロに向かうみたいに。
ああ、どこへ。
どこへ行くんだろう俺は。
どこへ―――。
――。
ゼロ―――?
→0。
まだだ。
まだ終わらない。
手に乗せた砂が、もうちょっとだけ残ってた。
水面へ球速浮上、命の炎増幅中。
「こんな所で死ぬ俺じゃねぇ!」
思い切り跳ね起きると、上に何か硬いもの、かまわず上体を起こす
あたりを見回す。
坊さんが俺をあぜんと見ていた、そして回りも唖然。
「…あれ?俺、死んだのか?」
振り返ると自分の写真が飾ってあった、しかも白黒。
…マジ?