000全ては終わりから始まる
―――ガタン。
小さな振動が、電車内に響く。
窓からは夕焼けの光線が差し込んで、影を作り出す。
ゴトン。
そして一人の人間が椅子に座っている。
完全に背中を背もたれに預け、目を閉じている。
静かな空間に、段差を越えていく電車の音だけが響く。
???「―――お疲れさま」
ローカルな電車内、向こう側に小柄な少女が腰を下ろした、その顔は西日で照らされて確認は出来ない。。
ただ、そして目の前の人間を微妙な表情で見つめていたのはわかった。
悲しいのか、嬉しいのか、せつないのか、寂しいのか。
???「今まで、貴方はすごく頑張った」
話しかけても対象は身動き一つとらない。
眠っているように、静かだった。
???「本当に、頑張ったよ…」
そして、床に転がっている白いボールを拾う。
いや、白くはない。
傷もついてるし、土がたくさん染み付いて、それは薄汚れていた。
???「これからは貴方がどこに行くのかは私は知らないけど…」
???「貴方が今まで体験した事を、聞かせて欲しいの」
[OVERGROUND]―――START。