エルナ「――――――――――。」

気がつくと私はベッドにいた。









































水の世界



































第9話 眠りから覚めて







































フクシア「あ、目が覚めた?」

私のベッドの横にフクシアがいた。

なぜか熱いお茶を飲んでいた。

エルナ「う〜ん……………?」

フクシア「目が覚めたばかりじゃわからないよね。ここがどこでどうしてベッドの上にいるのかなんて。」

エルナ「う〜ん……………。」

フクシア「順番に説明するね。」

エルナ「うん。」





















フクシア「私たち、地の世界から水の世界へ戻った後“結晶”を修復しようとしたでしょ?」

エルナ「なんか覚えてるような覚えてないような……………。」

フクシア「エルナさんの“青い石”の力で“結晶”は元通りになったんだけど、

“力”の反動でエルナさんは気を失っちゃったの。

その後崩壊を一時的に止めてた私も反動で気を失ったんだけどね。」

エルナ「あ!思い出した!それでその後どうなったの??

私はいったいどれだけの間寝てたの!?」

フクシア「正直私も驚いたんだけどあれからもう半年ぐらい経ったんだって。

私も3日前に目が覚めたばかりなの。」

エルナ「よく強い反動受けながら助かったなぁ…。」

フクシア「“石”のおかげだよ。」

フクシアは首に提げている石をちらつかせながら言った。

エルナ「“石”の…?」

フクシア「石で引き起こせる力は強大だけど使いすぎは使用者が危険。

だから強い技とかを発動したときは使用者に強い反動を与えて気絶させ、

強制的に回復期間を与えるようになってるみたい。」

エルナ「詳しいんだね。」

フクシア「興味があってちょっとだけ調べたことがあるだけ。」

エルナ「………あ。そういえば私もこの石は“お守り”だって聞いたことがある。」

フクシア「お守りかぁ……………。

「石の力」は人を傷つけることもできるほど強大だけど、

人を傷つけるために生まれたものじゃないから多分そうなってるんだろうね。」

エルナ「ところでここは?」

フクシア「レイン博士の研究所の休憩室。建て直されたから装飾とか構造が少し変わってるみたい。」

エルナ「ふーん。」





















グレイ「おう!目が覚めたのか!」

休憩室を出たらグレイに会った。

エルナ「おかげさまで。」

グレイ「お前が倒れた後みんながんばったから町はずいぶん綺麗になったぞ。」

フクシア「そういえば崩壊の跡はほとんど消えてたね。まだ完全じゃなかったけど。

エルナさんも一度自分の目で確かめてみるといいよ。」































エルナ「―――――ほんとすっかり綺麗になってるね。」

エメルド「みんなでが力を合わせてがんばったからな。」

アメリア「2人に負けないようにみんな必死だったと思うよ?」

エルナ「そうなんだ。」











町はかつての姿を取り戻しつつあった。

崩壊などまるでなかったかのように。

いったいどれだけの人のが作業に携わったのだろうと思った。











ライド「お〜っす!」

エルナ「あ、児雷也さん。」

ライド「おいおい、俺は児雷也じゃねぇって言ってるだろ!?それにこっちでは“ライド”だよ。」

ライドさんが私たちに声をかけてきた。

ライド「エルナさんとフクシアさんは今回大活躍だったな。

2人がいなければ水の世界は永遠に荒廃してただろうってレイン博士をはじめみんな言ってたぞ。

やっぱ崩壊の現場にいた人たちって絶望だったんだろうな……………。」

ブレッド「誰もそんなこと言ってねぇだろうが!!!」

ライド「うわっ!!」

突然フレッドさんが現れた。

フレッド「『永遠に荒廃する』とまでは言っていない。

『短期間での復興は困難だっただろう』とは言ったけどな。」

アメリア「ライドさんは大げさすぎるんですよ。」

ライド「何っ!?」

エメルド「アメリアの言うとおりだ。」

エルナ「ふふふっ。」

ここに戻ってこれたから、ここが復興したからみんなが前よりも明るくなったような気がする。

ライドさんが言ってた“崩壊の現場にいた人たちの絶望感”は冗談ではなく本当に凄かったと思う。

だから今のみんなの姿は『希望』が『現実』になったときの姿そのものなんだろうと思った。































――――――――――これで本当に無事戻ってくることができたのだ。

私たちがもといた「水の世界」へ…………………………。
















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