「またねー!」
手を大きく振りながら去っていく佳奈ちゃんに、私と紗枝も手を振って返す。
見えなくなってから、紗枝は私に言った。
「明日ってさ、「明るい日」って書くんだよね」
「えっ? あ、うん」
「じゃ、さ、何で明るいんだと思う?」
「へっ?」
予想外の問いに、私は変な声を出した。何で明るいかって? って、その前に明日って言う言葉が「明るい日」とかって考えたこともないし……
「ね、なんで?」
「えっ、えーと……晴れだから?」
「ちがーう」
ふくれて見せる紗枝に、私はお手上げのポーズをとる。
「わかんないの? もー……答えは、「また明日も貴方に会えるから」だよっ!」
言うと同時に満面の笑みを見せる紗枝。そっか……
「明日も、みんなに会えるからか……」
そう思うと、自然に笑みがこぼれる。
「それじゃね、美紀ちゃん」
歩き出す紗枝に、私は後ろから声をかけた。
「また……明日ね」
紗枝は振り返って、にっこり笑う。
「うんっ!」