砂漠の空は青い。雲は高く、そして白い。
乾いた空気がより透明感を引き出し、果てが無いような空間を作る。
そこに四条の白いラインが走る。
空の蒼に雲の破線を引きながら巡航するのは、一糸乱れぬ隊列の戦闘機隊だった。
「こちらペガサス1。前期接敵用意」
「ペガサス2、オールグリーン」
「ペガサス3、問題ないぜ!」
「ペガサス4だぜ、ご機嫌だ! いつでもこい!」
「よし、レーダーに敵確認。全機、派手に行くぞ」
「了解」
「ラジャー!」
「同じく!」
輝く飛行機雲は、同時に二発ずつの遠距離空対空ミサイルを発射する。
V字編隊の敵飛行隊は、ちょうど八機であった。広がるミサイル群に、敵は編隊を崩して逃げようとする。
しかし、それは敵わず、半分以下に減っていく。
「近距離戦闘に変更。止めを刺すぞ」
「了解。ペガサス2、先行する」
「ペガサス3、いっちょやってくるぜ」
「ペガサス4、ご機嫌だぜ!」
敵軍は算を乱していた。分裂して撤退しようとするが、ペガサス隊に追いつかれ、各機撃墜される。
この砂漠の空には、天馬たちにかなうものはいないようであった。