私の横で眠る貴方……安らかな寝顔だけど、それは気付いてないだけ。
貴方は、もう、私の巣にかかる蝶。
その可憐な唇、白磁の肌、しなやかなシルエット……全部、私のもの。
静かな寝息だって……
私は、貴方の唇に触れる。熱を持った底は、私の指先を柔らかく迎えた。
「……私の、もの……」
貴方は、さっきまで起きてたみたいね。
美しい瞳はまぶたで隠され、長いまつげがかかっている。
彫刻のように完成されたスタイルは、無防備にさらけ出されて……
貴方はきっと私を自分のものだと思っているでしょう?
でも、それは違う。逆よ。
貴方こそが、私のもの。
蜘蛛の巣にかかる蝶は、貴方のほうよ。
いや、さしずめ貴方は私がいないと、お腹をすかせて死んでしまう、哀れな蜘蛛かしら?
それに何時気がつくか、楽しみに待ってるわ……