「いやぁぁぁっ!」
秋葉原の路地を、絹を裂くような悲鳴が切り裂く。少女が一人、数名の男に追いつめられていた。
「へっへっへ、もう逃げらんねえぜ」
男の一人が近づく。少女は観念したのか、へたへたとその場に座り込んだ。
「楽しませてもらうとしようか……」
「そこまでだ」
男達が振り向き、声の主を視認する。
それは、あまりにも近かった。
「誰も気が付かなかったのか!?」
男の叫びに、一人が焦りにかすれた声で応じる。
「あ、ああ」
声の主は、GSG-9の制服に身を包んでいた。その手には、ナックルガードが握られている。
「秋葉原に巣くう悪党め。この俺が、鉄槌を」
瞬間、GSG-9兵は、手近な男を投げ飛ばし、その動作の延長で一人を蹴り飛ばす。
さらに、男がナイフを取り出そうとするところを、顔面に拳をぶち込む。
その男が、きりもみで倒れるのを見届けると、GSG-9兵はくるりと背を向ける。
「お、お名前を!」
少女の声に、兵士は一言だけ、残した。
「AKIHABARA-COOL、だ」